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学校におけるいじめ自殺

2017/7/18 放送
クローズアップ現代+
「なぜ続く”いじめ自殺”~こともの命を救うために~」

が放送された。


内容は、いじめ自殺が起こる背景、学校の現状の紹介等であった。

この手の番組の多くは
このように「断片的な現状の紹介」とそれを見た人の「こうするべきであるという意見」
が放送されるが、学校における本質的な問題点について議論していたものを見かけない。


私は10年間、教員として高校に勤めたが、この手の番組については少し違和感を感じる。

いじめを無くすことは大切なことであると思うが、学校が対処しなくてはいけないことはいじめだけではなく多岐にわたる。

教育評論家の尾木さんが番組の終わりに

「労働時間の関係などもあり、教員だけで対処が困難なので、PTAやメディアがバックアップしていかなくてはいけない」

とまとめていた。


PTAやマスメディアの人がそのように思って学校に関わっていくことは重要であると思うが、
教員をしていた立場からいえば、学校という組織にもまだまだ致命的な問題があり、
組織として成立していない。



学校は世間一般的な組織と大きく構造が異なっている。

一般的な組織は、
部署長が所属構成員がどんな業務を行っているかを把握し、作業分担などを行うが、
学校では、ある教員の業務を把握している人がいない、つまり、自分の業務を知っている人がいない。

これは学校特有の事情から起きていると考えられる。
高校にしか勤めたことがないのですべての学校ついてとはいえないが、
学校の教員の業務としては大まかに次のようになっている。
  • 教科 (国語、理科等)
  • 分掌 (進路指導、生徒指導等)
  • 担任 (各クラスに正担任、副担任等)
  • 部活動 (野球、サッカーや美術、書道等)
教科は法律で定められている為、教員免許状の教科になる。
この為、教員採用や人事異動は 免許の教科によって行われる。

分掌、担任、部活動の割当は学校に配属とともに行われ、1年単位で4月に変わったりする。
教科と分掌は全ての教員に割り振られる場合が多く、
担任はクラス数だけ必要で、部活動はすべての教員に割り振られるとは限らない。
私の勤務していた学校では、ほとんどの教員がこの4つの業務を割り当てられていた。

この為、一人の教員のすべての業務を把握している人がおらず、
自分の隣りに座っている人がどんな業務で忙しそうにしているかわからないことがよくある。

こんな状況である為、いじめが本格的な対応するべき問題として学校が認識するまでに時間がかかる。

いじめだけでなく、様々な問題に学校が取り組む遥か前に小数の教員は気づいていることはよくある。
しかし、報告連絡相談の連携が出来ていなかったり、報告をしてもここの担当じゃないと突っぱねたりしている内に取り返しがつかないことになってしまっている。


学校は子供の未来を守り、より良い可能性を追えるように努めるべきだと思う。

もっと学校の問題点に光があたり、学校がより良い組織に変わっていくことを切に願う。

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